フルフェイスヘルメットを使用する際、悩みの一つとしてあるシールドの曇り。
これを防ぐために販売されているピンロック。ヘルメット本体のシールド内側へと貼り付けることによって、視界の曇りを防止してくれます。
そんなピンロックは、時間の経過や温度変化などによって次第に劣化していき、曇り止めの効果が薄れていきます。
この記事ではピンロックの曇り止め効果をきちんと発揮させるための、簡単な調整方法を紹介しています。
事前知識:偏心ピン
偏心ピンとは、ヘルメットのシールド両端にある、ピンロックを取り付けるための部品です。
それに加え、ピンを回転させるで、ピンロックを固定する力・方向を変えることができる構造になっています。
- バイクで走行中、ピンロックシールドを使用していても視界が曇るとき。
- 新品のピンロックシールドを取り付けるとき。
- ピンロックシールドの手入れをしたあと。
調整方法
ピンロックをしていても視界が曇る原因は、ヘルメット本体のシールドとピンロックの間にあるシリコンゴムが密着しておらず、そこに湿気などが入り込むことによるものです。
1.状態の確認
ピンロックは多くの場合、偏心ピンに近い箇所から浮いて(密着しなくなる)きます。
シールドを閉じた状態で、左右の偏心ピン付近を指で押し、”ペコペコ”とする感触があれば、密着できていないということになります。
また、偏心ピン周辺に浮きが見られない場合は、シリコンゴムに沿ってピンロック全周を押して確認をします。
2.偏心ピンで調整
シリコンゴムが浮いることが確認できた場合、偏心ピンを使って調整をする必要があります。この時のポイントとして、以下の点に注意して偏心ピンを回転させましょう。
シリコンゴムが密着していない方向(側)へと押し付ける力を増やしたいため、目的に合わせて偏心ピンを回転させる。
シリコンゴムが密着していないのが偏心ピンより・・・
- 上側の場合、偏心ピンの中央が下に来るように回転させます。(画像左下)
- 下側の場合、偏心ピンの中央が上に来るように回転させます。(画像右下)
この時、左右の偏心ピンを均等に回すことを意識しましょう。
(ピンロックの中央付近が浮いている場合も同じ調整方法でOK)
3.調整完了
上手く調整できると、シールドとシリコンゴムがしっかりと密着します。
小さな桶やトレーなどにお湯を張り、ヘルメットを閉じた状態で内側を曇らせると、きちんと調整ができるか確認できます。
画像の様にピンロック周辺だけが曇っていれば、ただしく調整ができています。
調整しても曇る場合
ピンロックのシリコンゴムとシールドが、きちんと密着しているにも関わらず曇ってしまうことがあります。
その理由は大きく分けて2つ。
- 小さな埃やゴミが付着していて、シリコンゴムがシールドに密着できていない。
- ピンロックの寿命。
それぞれ順番に解決方法を紹介します。
1.ピンロックを洗う
シリコンゴムが密着しているにも関わらずシールドが曇ってしまう場合は、埃などが入り込んでいる可能性があるため、一度洗ってみましょう。
スプレーボトルと中性洗剤・水を準備し、中性洗剤を水で5倍程度に薄め、スプレーボトルを使って吹き付けます。(表面が少し濡れる程度OK)
シリコンゴムを指の腹を使い、やさしく撫で洗いをします。
力を入れすぎるとシリコンゴムの損傷や、ピンロック本体を傷つけてしまうので、やさしく”撫でて洗う”ことを意識すると良いです。
仕上げに35℃程度のぬるま湯で洗い流し、軽く水を切った後、風通しの良い場所で自然乾燥させます。
ドライヤーでの乾燥や直射日光が当たる場所は避けよう!
ピンロックが完全に乾いたらシールドへ取り付けます。(偏心ピンを使った調整を再度行いましょう。)
2.寿命
ピンロックを洗っても曇る場合や、偏心ピンの調整限界の位置にある場合などはピンロックの寿命が考えられます。
インターネット通販やバイク用品店で購入できるため、買い替えをご検討ください。
- 購入から5年程度(保管状態により大きく左右される)
- 偏心ピンで限界位置まで調整しても曇る。
- ピンロックを洗っても曇る。
- シリコンゴムの劣化、亀裂がある。
- ピンロックにひび割れが起きている。
おまけ
偏心ピンが無いシールドや、ジェットヘルメットで使用できるピンロックもあります。
ご興味がありましたら、ご覧になってみてください。
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