近年、国内メーカーでも、150cc前後の排気量となるバイクの取り扱いが増えてきました。
150ccのバイクを運転するには、400ccまでのバイクが運転できる普通自動二輪免許が必要になります。
それにも関わらず、なぜ中途半端な排気量となる、150ccのバイクが多くのメーカーから販売されているのかユーザーにとってのメリット・デメリットを解説をします。
バイク一覧
2021年2月9日時点で、国内4台メーカーから販売されている、150cc前後のバイクです。
スズキのジクサー150を除くと、全てがスクーターモデルとなっており、通勤・通学・買い物などで利用されることを目的に販売されている印象があります。
メーカー | バイク名称 | 排気量(cm3) |
SUZUKI | ジクサー150 | 154 |
バーグマン200 | 199 | |
HONDA | PCX160 | 156 |
ADV150 | 149 | |
YAMAHA | NMAX155 | 155 |
トリシティ155 | 155 | |
マジェスティS | 155 |
また、それぞれのメーカーで特徴のあるタイプの150ccバイクが販売されてるため、自分に合ったバイクを選ぶことができます。
- ジクサー150:他メーカーには無い150ccでMTのネイキッドモデル
- ADV150:冒険に出たくなる様なデザイン・走行性能を兼ね備えたスクーター
- トリシティ155:唯一無二の3輪スクーターで転倒や雨天での走行に強い
走行制限が無い
最大のメリットは、125cc以下のバイクでは走行できない道路が走行可能となる点です。
具体的にどういった道路が走行できるのでしょうか。
自動車専用道路
国内の一部の道路では、バイクの走行が制限がされている道が大きく分けて3種類、存在します。
- 原付進入(走行)禁止
- 125cc以下進入禁止
- 自動二輪車・原付進入禁止
二輪車の進入が禁止されている道路と、特殊な規制がかかっている道路を除けば、150ccのバイクはほぼ全ての道路を走行できます。
その中でも125cc以下の二輪車の進入を禁止されている「自動車専用道路(バイパスなど)」を走行できることは非常に大きなメリットと言えるでしょう。
※読者様より”指宿スカイラインは通行可能”とのご指摘をいただきました。
これらの道路は、あまり信号機が設置されておらず、車の流れが良いことが特徴です。
そのため、通勤・通学のルート上に自動車専用道路ある場合は、150ccバイクが活躍します。
通勤で自動車専用道路を使うことにより、通勤時間を5分短縮できる場合・・・
短縮時間 | 往復 | 1ヶ月の出勤日数 | 合計短縮時間 | |||||
5分 | × | 2 | × | 20日 | × | 12ヶ月 | = | 2400分 |
1ヶ月の出勤日数が20日とした場合、1年間で2400分(40時間)も通勤時間を削減することができる計算になります。
高速自動車道
125ccを超えるバイクは高速道路を走行できる様になります。
そのため、150ccのバイクは高速道路の走行は可能ですが、排気量が小さいため、利用手段として”目的地へと早く向かうために渋滞ポイントを回避し、一部の区間だけ高速道路を使う。”といった方法が向いています。
また、小型のバイクで高速道路を利用する場合、他の車両の追い越しはなるべく控え、大型車からの風の影響に対処できる様、走行することが必要です。
安全な走り方として、自らがコントロールできる速度(下限・制限速度は守って)で走行し、車からの風の影響が少ない、一番左側の走行車線をキープレフトで走行すると良いでしょう。
車体が軽い・燃費
ホンダのPCXの様に、125ccと150ccのラインナップがあるバイクは、フレームや多くの部品で同じ物が使われています。
そのため、125ccと同様にバイクの操作が行いやすく、駐車場などでの取り回しが簡単なことが特徴です。
また、燃費についても大幅な悪化はみられないため、中型免許をお持ちであれば150cc前後の車種をおすすめできます。
HONDA | PCX125 (2021モデル) | PCX150 (2020モデル) | PCX160 (2021モデル) |
車両重量 | 132kg | 131kg | 132kg |
燃費(*1) | 47.4km/L | 46.0km/L | 45.2km/L |
YAMAHA | NMAX | NMAX155 |
車両重量 | 127kg | 128kg |
燃費(*1) | 43.6km/L | 41.7km/L |
(*1):WMTCモード1名乗車時の燃費
唯一のデメリット
最後に150ccのバイクのデメリット。それはバイク単体での任意保険の加入が必要になることです。
125cc以下のバイクであれば、既に加入をしている軽自動車・普通自動車の任意保険に、ファミリーバイク特約を付帯(オプションとして追加)させることができます。
このファミリーバイク特約は、バイクで交通事故を起こしてしまった場合に保険を使用しても、自動車の保険の等級が下がらないことが特徴です。
ただし、事故や故障で自走ができなくなった場合、ファミリーバイク特約ではレッカーサービスを利用できないため、JAFや点検を依頼している店舗など、ご自身でのレッカー手配が必要になります。
それに対し、125cc以上のバイクで新たに任意保険に加入する場合、初年度契約の6S等級から始まるため、数年間は保険料が割高なことに加え、事故などで保険を使用した場合は等級もダウンします。
保険を使わずに等級が上がっていけば、いずれファミリーバイク特約よりも保険料が下がりますが、任意保険の契約や更新の手間を考えると、デメリットと言えるでしょう。
ただし、将来的に大排気量のバイクに乗ることを検討している場合、あえて125ccのバイクで任意保険に加入し、将来の出費を下げるといった方法もあります。
150ccバイクのメリット・デメリットまとめ
125cc超え、150ccのバイクのメリット・デメリットを紹介しました。
125ccのバイクと比較すると、150ccのバイクは任意保険を個別で契約しなくてはなりませんが、走行できる道路が増える点や、車両価格も差がほとんど無いといった点でも、150ccのバイクは優れていると思います。
通勤・通学で小型バイクの購入を検討していて、普通自動二輪免許を所有している場合、これらの理由から125cc超のバイクを購入した方が、利便性が高くなることでしょう。
バイクの任意保険の金額が知りたい場合は、保険会社・内容を比較できる見積もりサービスをおすすめします。ぜひ見積もりをしてみてください。
コメント
はじめまして。
指宿スカイラインは原付(1種2種共に)通れますよ。
http://www.kagoshimaken-dourokousha.or.jp/kubun.html
ここの区分表2にあります。
確かに入り口は自動車専用道路に囲まれているように見えますが、県道20号が谷山ICに繋がっており、料金設定もあります。
たなかこうすけ様
間違いをご指摘いただいた上、詳しい情報までコメントをいただき、ありがとうございます。
記事本文に取り消し線で修正・通行可能と記載をさせていただきました。